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金成 守康*; 田中 紘一*; 馬場 信一; 衛藤 基邦
Carbon, 35(10-11), p.1429 - 1437, 1997/00
被引用回数:39 パーセンタイル:80.94(Chemistry, Physical)原子力用炭素複合材料のナノインデンテーション試験を炭素繊維軸に平行及び垂直方向の断面について実施した。比較材として等方性黒鉛を用いた。これらの材料は第1回目の荷重後、大きな弾性回復を示し、その後の荷重サイクルで非弾性ヒステリシスを示した。平均押込み圧力のデータ点をワイブル統計によって解析すると、二つのグループに分けることができた。より大きな平均圧力は繊維に、より小さなそれはマトリクスに起因すると考えられる。平均圧力Pmの荷重P依存性は、複合材料ではPの増加とともにPmの減少、黒鉛では逆の傾向が見られた。黒鉛及び複合材料の繊維とマトリクス各々のヤング率を除荷曲線のスティフネスから計算し、各々、10.7、6.71、1.97GPaという値を得た。黒鉛と繊維についての値は各々バルクの黒鉛と複合材料のヤング率の値と一致した。
石原 正博; 奥 達雄*
日本機械学会論文集,A, 62(602), p.2305 - 2309, 1996/00
高温工学試験研究炉の黒鉛構造物には、原子炉の運転とともに中性子照射による寸法収縮変形およびクリープ変形により残留ひずみが蓄積される。したがって、原子炉の安全運転の観点から、黒鉛構造物中に蓄積される残留ひずみの程度を非破壊的に計測する必要がある。一方、黒鉛の応力・ひずみ曲線が非線形性を示すことから、残留ひずみの蓄積により材料の変形特性が異なることが予想される。そこで、種々の引張模擬残留ひずみを発生させた試験片表面に微小硬度計によりダイヤモンド圧子を押し込み、連続的に押し込み荷重と深さを計測した。その結果、残留ひずみの増加により圧子の押し込み深さが増加し、変形抵抗の減少が認められるとともに、微小硬さが減少した。したがって、黒鉛構造物の残留ひずみ計測法として、微小硬度計を用いて硬さ分布を測定することにより、残留ひずみが非破壊的に検知可能であることがわかった。